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■2017年2月5日

▼車両Mod紹介記事のフォーマット

 rFactor 2用車両Mod・Nissan R35 GT-R GT500の紹介記事がひとまず完成しました。

(1) Mod本体の紹介
(2) セッティング集
(3) ドライビングの参考資料

 (1) では、Mod本体についての基本的な解説や史実で用いられたコースModの紹介を行っています。
 (2) と (3) ではプレイヤーがドライバー役に専念できるようエンジニアリングまわりの情報を載せています。

 ちょうど4年前に本コーナーで述べた構想が、Z34 GT4 その1Z34 GT4 その2C6.R GT2といった試行錯誤を経て、ようやく形になったわけです。

 車両Modについては、Assetto Corsaをはじめとした他プラットフォームにおいても、このフォーマットで記事を作成していく予定です。

 ただしドライビングの組み立てに影響が出るデフォルメが入っている作品については、(1) のみとなります。

 これは、現実世界の定石を下手に適用してセッティングを弄り回すよりは、セッティングはデフォルトのまま、作り手の意図した操作に従う方が、その作品本来の魅力を味わえるとの考えによります。



■2015年6月24日

▼F1開催コースModのコースリスト (暫定版) が完成

 サーキット予習シリーズのうちF1開催コースMod (含む非タイトル戦) のコースリスト作成が、ようやく完了しました。

 1950年から2015年現在まで、F1が開催されたコースのうち、rFactor・rFactor 2・GT Legends・Assetto CorsaのいずれかにModが存在するものは、コースリストのみの記事という形で暫定的にアップしてあります。

 タイトル戦については、時代によるレイアウト違いを含めれば、ほぼ全てのコースがModとして存在しています。

 唯一の例外は、1958年モロッコGPの舞台となったAin-Diabです。同コースのModは、今のところ、筆者のリサーチでは存在が確認できていません。

 非タイトル戦については、33コースの存在が確認できていません。

 ただしそのうち2コースについては、少なくともF1C用としては公開されています。
 今後のリサーチの進展次第では、さらに空席が埋まる可能性があります。

 現代F1で知名度が高いコースはまだしも、1950年代の非タイトル戦でのみ用いられたマイナーなコースですら、結構な割合でMod化されていることに驚かされます。

 先のリストは、世界各地のMod職人たちが、長年に渡り、コース作成に注いできた情熱の結晶そのものです。



▼モータースポーツ史への興味に基づくコースMod作り

 そうした性格を持つリストゆえ、眺めていると様々なことに気付かされます。

 一例を挙げると、ドイツのMod職人・f1-edition。

 彼の名前は、ドイツにおける非タイトル戦コースの作者として、先のリストにたびたび登場します。

 彼が取り組んでいるのは、1950年代の旧東ドイツの公道サーキットという、日本では存在を知る人すら少ないマイナーなテーマ。

 F1開催コースという縛りを無くすと、f1-editionの興味の対象がよりはっきりとします。
 - ファイル検索:作者 = f1-edition @ NoGrip

 1950年代から1960年代にかけてドイツに存在した公道サーキットを、彼は数多く手掛けているのです。

 サーキット (あるいはモータースポーツ) の歴史という観点から、コースMod作りに取り組んでいるという点において、日本のBTBerであるSoramame氏と同じタイプの職人といえます。

 こうした気付きも、新たな切り口での紹介記事という形で、今後の記事作成に活かしたいと考えています。



▼通常運行に復帰

 rFactor 2本来の機能を発揮する作りになっているコースModの紹介。それを主目的として、コースリストを一気に作成してきました。

 2015年6月24日現在、F1開催コース以外では若干の積み残しがあるものの、全体としてみれば、当該Modのリストアップはほぼ完了という状態です。

 効率的に作業を進めるために、記事作成のための全持ち時間を、コースリスト作成に投入する生活を、ここ数ヶ月間続けてきました。

 とりあえず最低限の目標は達成できましたので、そろそろ通常運行に戻そうと思います。



■2015年4月4日

▼コースMod紹介記事の運用方針について

 2011年半ばから、リアルのコース紹介とあわせてModの紹介記事を作成してきました。

 完成した記事の例としてはスパ・フランコルシャンホッケンハイムなどが挙げられます。

 それらの完成形を目指すという基本方針は、今後も変わりません。

 ただしrFactor 2用Modが公開されているスポットについては、コースリストだけを先行して作成することにしました。

 これはrFactor 2用コースModの特殊性によるものです。(詳しくは後述)

 rFactor 2本来の機能を発揮する作りになっている。そう確認できたものから順番に記事化しています。

 サーキット予習シリーズの記事で、コースリストのみの記載となっているものには、そうした背景があります。



▼基本部分の確認を要するrFactor 2用コースMod

 rFactor 2を車輌シミュレータとして利用する際、動作負荷が高いソフトをわざわざ走らせるからには、以下の2機能はきちんと作動してほしいところです。
 (1) フラクタルを用いたコース表面の物理的な凹凸の再現
 (2) コース表面に加えられた荷重や降雨といった自然環境により、動的に変化する路面状況

 またグラフィックの美しさを売りにしたソフトでは無いとはいえ、コースのオブジェクトが大量に消失した状態では、没入感が台無しとなってしまいます。
 Build 770 (2014年7月2日リリース) より前に作成されたコースModでは、そうした事態がおきる可能性があります。
 (3) コースのオブジェクトが正常に表示される
 つまりこの項目も確認が必要となります。


 実在レイアウトの再現性やコース脇オブジェクトの作り込み度合い。
 rFactor 1をはじめとした一般のレースシム用コースModではそうした要素に注目があつまります。

 しかしrFactor 2の場合は、もっと基本的な部分の確認が必要になるわけです。



▼一般プレイヤーにはややハードルが高いチェック作業

 実際のチェック作業ですが、前述の (1) と (2) については、当該コースModをrFactor 2のMod開発者モードか外部の3Dグラフィックツールに読み込ませて、メッシュ分割の様子やマテリアル設定等を確認することになります。

 Modをダウンロードして、実プレイより前に、まずデータの中身を確認するのが当たり前となっているMod作成者にとっては、それほど大した作業ではありません。

 ただそうした事柄に馴染みのない一般のプレイヤーにとっては、ややハードルが高く感じられる作業でしょう。



▼実プレイで使えるデータを優先

 筆者自身は、Modを入手すると、とりあえずデータの中身を確認するのが習慣となっています。
 これはrFactor 2のコースModについても同様です。

 記事の書き手としては、リアルのコース紹介も併せて行なうところに面白みを感じています。
 しかしスパ・フランコルシャンやホッケンハイムの紹介記事のような完成状態にもっていくまでには、それなりの工数を要します。

 いつになるのか分からない紹介記事の完成を待つより、チェック済みのコースModを含んだリストをとりあえず公開してしまった方が、より多くの人にとってプラスになるであろうと判断しました。



▼未完成の記事ゆえ過去記事の修正と同じ扱いに

 ただしサーキット予習シリーズの記事としては、未完成の状態にあることには変わりません。
 しかもコースリストに含まれるModは、rFactor 2用に限らず、リリースからそれなりに月日が経ったものがほとんどです。

 そういったコースリストのみの未完成記事には、新規性はありませんし、記事の内容を必要とする人の数もそれなりに限られることでしょう。

 ですので、リリース直後のModが含まれる場合を除き、コースリストのみのサーキット予習シリーズの記事は、新規のポストであっても、ブログのトップには来ないようにしています。またTwitterでの告知も行なっていません。

 これは過去の記事に対する新規性のない修正と同じ扱いです。



■2014年12月31日

▼私事

 月日が経つのは早いもので、2014年もあと1時間足らずで終わりとなります。

 2014年は私にとって大きな変化の年となりました。
 老親が2013年末に病で倒れ、その面倒をみることになったのです。

 当初はどうなることかと思いましたが、おかげさまで新たな生活を何とか軌道にのせることができ、無事に2015年を迎えられそうです。


▼大晦日での記事メンテ状況

 前述の状況ゆえ、2014年は例年以上に、記事に反映できていない積み残しアイテムが増えてしまいました。

 とりあえず実プレイで使えるデータを優先しようということで、サーキット予習シリーズのコースリストのメンテに着手、何とか年内に作業の大半を終えることができました。

▼サーキット予習のコースリスト全般を眺めて

 コースリストの大半が、rFactor 1用コースModで占められているのは、従来通りです。
 これまでに作成されたModの数や長年に渡って蓄積されてきたノウハウを考慮すると、こうした傾向はこれからも続くものと思われます。

 その一方でrFactor 2やAssetto Corsaといった新プラットフォームにも、まともにプレイできるコースModが増えてきています。


▼リストのメンテ作業からみる2014年のrFactor 2

 特にrFactor 2については、2014年の伸張振りに目を見張るものがあります。

 ベータ版リリースされた2012年から翌2013年にかけて、まともにプレイできないrFactor 1からの移植Modが数多く出回っていました。

 rFactor 2では、設定された路面粗さに応じて、コース表面の物理的な凹凸を、フラクタルを用いて、自動生成する機能があります。
 rFactor 1から路面メッシュを持ってきただけでは、その機能は上手く働きません。

 rFactor 2の新機能に合わせた路面メッシュの切り方や、RealRoadの実装といったノウハウが一般に広まり、リリースされたModのうちrFactor 2本来の動作が望めるModの割合が大幅に高くなったのが、2014年といえるでしょう。

 ただし車輌Modについては、自動車工学と車輌運動力学について十分な知識を持つトップクラスのModderが、ISIの協力を得た上で、ようやく (シミュレーターの名に値する) Modを作り出している状況です。

 車輌シミュレータとしてrFactor 2を捉えるのであれば、これが本来あるべき状況ともいえます。

 しかし (グラフィックやサウンドといった) 車輌のキャラクター性を楽しむためにrFactor 2をプレイしようとすると、車輌Modの少なさが大きな壁となって立ち塞がります。

 今後も車輌Modについてはそうした状況が続くであろうこと、またrFactor 1でそうした需要が満たされていたことを考えると、rFactor 2用コースModの数の増え方は、かつてのrFactor 1並というわけにはいかないでしょう。

 マイナーなコースに関しては、これからもrFactor 1頼みとなりそうです。


▼リストのメンテ作業からみる2014年のAssetto Corsa

 Assetto CorsaはrFactor 2とは対照的です。

 グラフィック描画用とは別に、コース表面の物理的形状を表すマップを持つAssetto Corsaですが、rFactor 1からのベタ移植であっても、とりあえずはプレイできる仕上がりになるようです。

 路面メッシュを一から切り直す必要があるrFactor 2への移植と比べると、Assetto Corsaへの移植性の高さは段違いといえます。

 グラフィックの美しさも手伝って、移植コースModの数の増え方は (車輌Modともども) 2014年で一番のプラットフォームでした。

 来年以降もこの勢いは続くことでしょう。

 rFactor 1からのコースMod移植に関して、敢えて難点を探すとすれば、物理的形状を表すマップを、ユーザーが全て自作しなければならない点です。

 Kunos純正コース並みの精度と密度を持つマップを、rFactor 1のコースModデータをベースにして、どのように生成するか。

 この課題について (現時点では) 話題にはなっていません。

 しかしAssetto Corsa用Modの成熟が進み、数値面でのリアルさにこだわった作品が出てくる頃になると、この問題が表面化するでしょう。
 (rFactor 1でも路面からの入力の単調さが問題とされました。)


▼2015年を迎えるにあたって

 公私ともに自動車漬けの人生を送ってきた私にとって、わずか15分の空き時間でも楽しめる車輌シミュレータは、心のオアシスとでもいうべき存在です。

 そんな私の嗜好を全面に押し出した当ブログゆえ、とうてい一般受けする内容には成り得ませんが、2015年もこれまで通りの方向で、地道に更新を続けていくつもりです。



■2014年6月1日
▼Daralla DW12のベースセットアップ配布

 Daralla DW12 (ロードコース仕様) の車両挙動設定ファイルの内容を確認したところ、競技用車両とは思えないほど安定方向に振られたサスペンションになっていました。

 前軸側のロール剛性配分の数値がきっちり55.0%となっていることから、ISIが意図してこの設定にしているのは間違いないでしょう。

 その一方でタイヤと空力の設定は車両シミュレータとして納得がいくものです。

 ISI公式フォーラムで繰り広げられている論争やISIの意図など、本Modに関して記事で取り上げたい事柄はいくつもありますが、本日はせっかくの休日。
 実プレイを楽しんで頂けるよう、ニュートラル方向に振ったベースセットアップ (ロード仕様) のsvmファイルを配布いたします。
 Neutral Setup for Dallara DW12

 デフォルト状態や追加配布された公式svmではアンダーが強すぎて走りを楽しめないという方は、ぜひこのsvmファイルを試してみて下さい。

 例によって計算から割り出したセットアップが元になっていますが、テストプレイでリアを振り出せる程度のコントロール性があることは確認しています。


■2014年5月28日
▼rFactor 2用Mod・Daralla DW12のデータ取り

 5月22日と24日に、それぞれISI純正Mod・Formula Renault 3.5 2014とDaralla DW12がリリースされました。

 残念なことに、どちらのModも車両挙動ファイルが暗号化されています。

 しかしBuild 660からはテレメトリのデータからタイヤのスリックカーブを描けるようになっています。

 現在Daralla DW12の車両特性を確認すべく、実走行でのデータ取りをしているところです。

 こちらが本日の実験走行から生成したスリップカーブ。

 実験に用いたコースのμ設定はやや低め。その影響をうけてスリップカーブのμも低めに出ています。

 しかしそれでも対静止時で4倍もの荷重がかかっても、軽く1.0を超えるμを保っているのは、さすがトップフォーミュラーのタイヤと言えます。



■2014年5月4日
▼連絡用メールアドレスの変更

 gooメール (無料版) のサービス終了に伴い、本ブログの連絡先メールアドレスが変更になりました。

 (旧) virtual_motorsports_mucho
@mail.goo.ne.jp
 (新) virtual_motorsports_mucho
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 (@マークより前は以前と変わりませんが、それより後が米国ヤフーとなっています)

 皆さまから頂戴したメールはブログ運営の参考とさせて頂きます。
 なおModのインストール方法といった個別のご質問には直接お返事できないこともあります。何卒ご了承下さいませ。


▼更新告知用のtwitterアカウント

 ブログ上でお知らせするのは初めてとなりますが、当ブログには更新告知用のtwitterアカウントがあります。

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 なおリンク切れや誤記の修正といった新規性の低い更新については、上記アカウントでの更新告知は行っていません。
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[時事] レースシムのMod文化に未来はあるか? 

■はじめに
  商業タイトル並みのクオリティを持つ作品で知られるMod作成チーム・CTDP (Cars & Tracks Development Project)。rFactor 1ではISI純正のコンテンツ作成を任されたり、ISIから発売された商業タイトル・Superleague Formula 2009 THE GAMEの開発を担当するなど、実質的にはプロの集団といってよい。

  そのCTDPに所属するeraleが、興味深い記事を自身のブログにポストしている。
  その記事が海外の大手ニュースサイト「VirtualR」でも取り上げられそれなりの反響を呼んでいる。

  ここでは同記事の翻訳文の紹介と、記事内容に対する筆者なりの見解を記してみよう。



■Mod文化が滅びつつある? (原文記事の翻訳)
  新たに立ち上げたブログの最初の記事としては、ややネガティブな話題かもしれない。しかしここ数日間というもの、この話題が頭にこびりついて離れないのだ。

  新たなレースシムがPC用ソフトウェア市場に投入されつつある。
  rFactor 2・Assetto Corsa・RaceRoom・GTR3・pCARSがそうだ。
  どのタイトルがシミュレーションの名に値するか、それについて議論はしたくない。

  ただ現時点で明らかになっている限り、後者3タイトルではModをサポートしていない、というのがここでのポイントだ。

  もちろんModがサポートされていないタイトルであっても、データに手を加える手段は必ず存在するし、自作したモデルやテクスチャをゲームに投入するために、コンバーターを作成する人が出てくるかもしれない。
  ただしこうした手法に拠らざるを得ないタイトルは、この記事ではMod不可として扱うことにする。

  するとMod可能なタイトルとして、rFactor 2とAssetto Corsaが残る。

  rFactor 2は公開ベータ版が既にリリースされており、ユーザーが車両やコースを作成するためのツールも同梱されている。
  Assetto Corsaは、まだ一般公開はされていない。現時点でわかるのは、Modがサポートされる予定ということだけで、仕様の詳細については何一つ明らかになっていない。

  この記事では、それぞれのタイトルについて個別に語ることにする。
  両タイトルは別個の問題を抱えていると思われるためだ。
  ただし以後に述べる問題は、程度の差こそあれ、他のレースシムにも当てはまると考えた方がよい。


[rFactor 2]
  rFactor 2は、現在もなお開発が進められているソフトウェアだ。
  次のバージョンアップで仕様が大きく変わる可能性があり、未完成の機能も数多く抱えている。
  このような状況でModを作成しても意味が無いといえるかもしれない。


  rFactor 2でMod作成を行うにあたっての利点は、Mod作成の中核となる領域は、rFactor 1と大きな違いがないということだ。
  3ds Max用のプラグインは同じものだ。
  新たな要素がいくつか追加されてはいるものの、旧来からの要素と大差ない。

  自作した車両やコースをゲーム内に登場させるまでの手順は、rFactor 1時代と変わりがない。
  車両挙動設定も以前と同様のままだ。


  だとすれば何が問題なのか?
  現時点で私が把握している最大の問題は、rFactor 2になって変更が入った箇所、つまり新タイヤモデルだ。

  ゲームをプレイする立場からすれば、ゲームをよりリアルにしてくれる素晴らしい新要素といえる。しかし一方では、その新要素を盛り込むために、Mod作成者が多くの作業を強いられている。

  rFactor 1時代ですらタイヤ周りは十分に難しい分野だったのが、rFactor 2ではそれがさらに難しくなってしまった。

  新タイヤモデルでは、タイヤの構造に関する情報が必要になってくる。
  タイヤの断面形状・タイヤを形作っている構造物の数と種別および物性値・プライの方向などがそうだ。

  rFactor 1のタイヤモデルに要するデータを集めるだけでも難しかったのが、rFactor 2ではさらに難しくなっている。
  必要な全データが入手できなかった場合は、推測により不足データを補うことになる。

  次にタイヤを構成する全ノードの情報をテキストエディタ上で編集する必要がある。本来なら、複数ノードを同時に編集できる専用ツールを使いたいところだが、現時点ではそうしたツールは存在しない。

  編集作業が終ったら、当該ファイルをTGM Tire Toolでコンパイルして、参照用テーブルを生成する。このコンパイルには数時間かかる。

  こうした作業を経てタイヤデータを生成してはみたものの、望んでいたのとは異なるタイヤ特性になっていることも有り得る。

  かくしてMod作成者はタイヤを完成させるのに莫大な時間を費やすことになる。

  こうした時間の大部分が、テキストエディタを用いたノードの編集作業とコンパイルの待ち時間で占められる。


  これではMod作成を断念してしまっても不思議ではない。

  rFactor 2でMod作成を行うには、車両挙動まわりの作業を補助する、画期的なツールが不可欠だ。Mod作成者の作業効率を上げて、時間を節約する必要がある。

  そうしたツールの提供元が、ISIになるかレースシムコミュニティになるかはさておき、何らかの形でツールが供給されねばならない。

  Mod作成は現状でも多大な時間を必要とするホビーだ。Mod作成者はグラフィックや車両挙動をより実車に近いものにしようと、Modを構成する各データの作り込み度合いを高め続けている。それゆえ、本来は不要な作業によって、貴重な時間が奪われるような事態は避けるべきだ。


[Assetto Corsa]
  Modのサポート内容について何一つ分からないという点はさておき、Assetto Corsaは深刻な問題を抱えている。
  デフォルト収録のコンテンツに関して、その見栄えが非常に良く、車両・コースともに十分な数が揃っている上に、さらに開発元のKunosから追加される予定があるという点だ。

  それでは車両から見ていこう。
  Kunosが作成したグラフィックのクオリティに対して、Mod作成コミュニティがどの程度まで追従できるのかは分からない。
  一部のMod作成者ならば、限りなく近いレベルまで行けるのかもしれない。
  しかしここでは正直になろう。大部分のMod作成は、デフォルト収録コンテンツに近付くことすら出来ない。

  ああした高いクオリティのモデルやテクスチャを作るには、本人のもって生まれた才能とリソース、とりわけ時間が必要となる。
  大部分のMod作成者はその条件を満たすことができない。

  次はコースだ。
  一見するとそう極端な要素は無いように見えるが、実は大きな問題がある。
  Assetto Corsaには、レーザースキャンを元にしたコースが収録されている。レーザースキャンはその費用の高さから、Mod作成者では手が出せない領域となっている。

  それでは結論といこう。
  非常に見栄えが良く、幅広いジャンルをカバーしたデフォルト収録のコンテンツ。
  それに比べて、少なくとも6~7年は時代遅れのグラフィックでしかない車両やコース
  これらを比較したときにどう映るのか、私は想像したくない。



  これまで述べてきたことを踏まえると、Mod作成はあまりに複雑、かつ多大な時間を必要とするようになってしまい、レースシムというジャンルでは未来がない。少なくともそうした方向へ向かっている。そう私は考えている。





■上記記事に対する筆者の見解
  結論から先に述べよう。
  「eraleがCTDPで行ってきた類のMod作成に限定すれば、その通り。ただしニッチな領域でのMod作成は、今後も無くなることはない。」


[CTDPのスタンスからすれば納得できる結論]
  CTDP自身が述べているように、全ての要素に対して、現状で望み得る最高の質を追求する。それが同チームの製作スタンスだ。
  本ブログで紹介したF1-2005F1-2006を見ても分かるように、そのままパッケージ売りされていても不思議はないクオリティを誇っている。

  テーマは誰もが知っているF1世界選手権の人気シーズン。
  ターゲットとなるシーズンの全車種のフルスクラッチによるモデル化はもちろん、各GP毎の仕様の違いまで、グラフィック・車両挙動の両面で盛り込んでいる。
  グラフィックはモデリング・テクスチャともに非常に美しい仕上りだ。
  車両挙動も各車種・各GP毎の違いを表現しつつ、誰にでも走らせられる癖の無い味付けとなっている。

  これらは何人もの経験豊富なMod職人が、数年間に渡ってプライベートの時間をつぎ込んだ成果だ。

  rFactor 1時代ですら、作品を仕上げるのにそれだけの労力が必要だったのに、rFactor 2やAssetto Corsaでは、さらに手間がかかる見込み。しかもタイトルによってはデフォルト状態で十分に魅力的なコンテンツが揃っている。

  となればeraleが「Mod作成はあまりに複雑、かつ多大な時間を必要とするようになってしまい、レースシムというジャンルでは未来がない」という結論に達するのは、もっともな話だ。


[CTDPの特殊性]
  ただしここで重要なのは「Mod作成者は必ずしもCTDPのような作品作りをしているわけではない」という点だ。

  1シーズン13チーム20グランプリ分のモデル・テクスチャ・スキン・車両挙動のフルスクラッチによる作成で、望み得る最高の質を目指す。

  世界中に数え切れないほどのMod作成者 / Mod開発チームがあるが、これが可能なのは恐らくは世界で10チームかそこら。
  CTDPを別にすれば、HistorX Mod TeamVirtua-LMF1SR (F1-Sim-Racer)Varjanta Sim RacingFSOne (International Pro-Modding)EnduRacers Modding Teamとプラス数チームといったところだろう。


[大多数のMod作成者は別スタンス]
  大多数のMod作成者は、自身が望む要素に重点を置いた作りをしている。

  車両やコースのモデリングに関していえば、あるシーズンに登場した全車種・全コースではなく、思い入れのある特定の車種やコースのみスクラッチする。あるいはスクラッチではなく、他プラットフォームの既存モデルをベースに作成する、など。

  車両挙動でいえば、完成品として公開されている車両Modの車両挙動設定ファイルを、自分が望む内容に書き換えるのみ。

  作品の質についても、何が何でも最高でなければならないという、極端なまでのこだわりはない。
  もちろん質が高いものが出来ればそれに越したことはないが、Mod作成の作業そのものの楽しさが先に来るため、将来的に質が高まっていけば良い程度の姿勢。

もちろん個人差はあるが、CTDPの求道者的スタンスと比較すれば、上に記したスタンス寄りというMod作成者が大部分だろう。


[活動を続けるMod作成者]
  Mod作成の作業そのものに楽しみを感じていて、作品の質は後からついてくるもの程度の認識。かつ作業量もCTDPほど極端な量にはならない。

  こうした条件を満たすMod作成者であれば、rFactor 2やAssetto Corsaが軌道に乗った後でも、技量や経験に応じたプラットフォームで、趣味としてのMod作成を続けるものと思われる。


[デフォルト収録コンテンツで全てを満たすのは不可能]
  またrFactor 2やAssetto Corsaにデフォルト収録されるコンテンツで、全てのMod作成者が満足するということは考え難い。

▽車種編
  極端な例を挙げれば、DRMのセリカターボ Gr.5やF1-1984のAlfa Romeo 890Tなど、一部に熱心なファンはいるものの、基本的には日陰に追いやられている車種。こうしたモデルが商業タイトルに収録されることはまず無い。

  となれば、それらの車種を最新プラットフォームで自作 / 移植するか、望みのモデルが使える旧プラットフォームに戻るしか手はない。

▽コース編
  コースについても同様のことがいえる。
  本ブログでも紹介したヤビツ峠鳴門スカイライン正丸峠。現実世界の走りスポットをレースシム内で楽しもうとすれば、ユーザー側で自作する以外に手はない。

  あるいは群馬サイクルスポーツセンター間瀬サーキットといった、一部の車好き以外には認知度が低いマイナーサーキット。
  こうしたジャンルについてもModに頼るしかない。

▽車両挙動編
  車両挙動についても同様だ。
  本ブログで繰り返し述べているように、数値面でのリアルさを追求すると、多くの場合は、プレイヤーやプレイ環境を選ぶ車両挙動となってしまう。

  マニアが多いはずのPCレースシムのプレイヤー層であっても、数値面でのリアルさを追求した車両Modには、少なからず苦情が寄せられるのが実情だ。
  F1ElitesやHistorX・Nielsの作品が公開されるたびに、何度となくそうした光景が繰り返されてきた。

  商業タイトルの場合、車両挙動の良し悪しを評価するのは、購入した消費者だ。
  いくら開発サイドが数値シミュレーションとしては正しいと説明したところで、大多数のユーザーには通用しない。

  そこで予想される悪評を避けるため、消費者に納得してもらえるようなディフォルメが、車両挙動設定に加えられることになる。
  これはPCレースシムであっても、程度の差こそあれ、間違いなく加えられていると考えた方がよい。

  コンピュータ内に数値という形で実車を再構築したい。こうした望みを持つ人間にとっては、自力でデータを書き換えるしか手は残されていない。

  かくしてここでもModが登場することになる。


[まとめ]
  レースシムの複雑化により、Mod作成のハードルが高くなる。
  デフォルト収録コンテンツとユーザー作成コンテンツの品質の差が大きくなり、ユーザー自らコンテンツを作成する意義が薄れる。

  eraleのこうした指摘はその通りで、今後もこうした傾向は続くものと思われる。
  CTDPが行っているような、質・量ともに商業タイトル並みのコンテンツ作成は、衰退せざるを得ない。

  ただしMod作成には、ニッチかつ小規模なテーマを扱うジャンルがある。そうしたジャンルのMod作成は、場合によってはrFactor 1やそれ以前の古いプラットフォームも利用しつつ、今後も生き残るものと思われる。




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    [2005]
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    [2003]
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    [1998]
      [rFactor] F1-1998 v1.0がリリース(追記:v1.2Patch)
    [1994]
      CTDP F1 1994の開発状況
      CTDP F1 1994の新スクリーンショット公開

rFactor 2
    [タイヤモデル]
      [rFactor2] 新タイヤモデル (0) 概要説明
      [rFactor2] 新タイヤモデル (1) QuasiStaticAnalysis (準静的解析)
      [rFactor2] 新タイヤモデル (2) Node (タイヤの物理的構造の設定)
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      [rFactor2] 新タイヤモデル (4) コーナリング特性の把握
      [rFactor2] ISI、新タイヤモデルの映像を公開
    [アップデート]
      [rFactor2] Build 107 / v1.107での変更内容
      [rFactor2] Build 101 / v1.101での変更内容
      [rFactor2] Build 90 / v1.080での変更内容
      [rFactor2] Build 85 / v1.070での変更内容
      [rFactor2] Build 68 / v1.040での変更内容
      [rFactor2] Build 60 / v1.029での変更内容
    [Plugin & Mod開発用ツール]
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      [rFactor2] 車両挙動の開発用ツール
      [rFactor2] Mod職人向けマニュアルはWikiベースでも提供
    [挙動エンジンの仕様]
      車両の技術情報の入手 & 利用法 (1/2) クルマの形状 & 構造
      車両の技術情報の入手 & 利用法 (2/2) 車両挙動 & セットアップ
      [rFactor2] 挙動エンジンの内部仕様が窺えるPluginサンプルが公開
      [rFactor2] コースのシミュレーションに関する新機能
      rFactor Proの紹介 (6/7) 内部モデルとアーキテクチャ #2
      rFactor 2開発者Gjon Camajのインタビュー記事
    [デフォルト収録車両]
      [rFactor2] 収録18車種のレンダリング画像を公開
      [rFactor2] ISIがLola T70 Mk.IIIの画像を公開
    [ジョークイベント]
      [rFactor2] 開発中のDeveloper版が流出 (追記:実行画面)
      [rFactor2] rFactor 2が12月31日にリリース?
    [ベータ版リリース前後のドタバタ劇]
      [rFactor2][ベータ版ライセンス購入]
      [rFactor2][ベータ版リリース関連] 公開ベータ版がリリース
      [rFactor2] ベータ版 (車両 & コースデータのみ) がリリース
      [rFactor2] 価格およびオンラインサービスの詳細が発表
      [rFactor2] 公式オンラインが年会費制に (追記:アップデートは無料)
      [rFactor2] Mod作成者向け公開ベータ版、2011年内にリリース予定
      [rFactor2] 必要動作環境 & 推奨動作環境が公表
    [開発初期]
      ISI (Image Space Inc) が公式フォーラムを開設
      [rFactor2] ISIが雨天時のテスト動画を公開
      ISI、rFactor2への要望を募集中
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