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■2017年2月5日

▼車両Mod紹介記事のフォーマット

 rFactor 2用車両Mod・Nissan R35 GT-R GT500の紹介記事がひとまず完成しました。

(1) Mod本体の紹介
(2) セッティング集
(3) ドライビングの参考資料

 (1) では、Mod本体についての基本的な解説や史実で用いられたコースModの紹介を行っています。
 (2) と (3) ではプレイヤーがドライバー役に専念できるようエンジニアリングまわりの情報を載せています。

 ちょうど4年前に本コーナーで述べた構想が、Z34 GT4 その1Z34 GT4 その2C6.R GT2といった試行錯誤を経て、ようやく形になったわけです。

 車両Modについては、Assetto Corsaをはじめとした他プラットフォームにおいても、このフォーマットで記事を作成していく予定です。

 ただしドライビングの組み立てに影響が出るデフォルメが入っている作品については、(1) のみとなります。

 これは、現実世界の定石を下手に適用してセッティングを弄り回すよりは、セッティングはデフォルトのまま、作り手の意図した操作に従う方が、その作品本来の魅力を味わえるとの考えによります。



■2015年6月24日

▼F1開催コースModのコースリスト (暫定版) が完成

 サーキット予習シリーズのうちF1開催コースMod (含む非タイトル戦) のコースリスト作成が、ようやく完了しました。

 1950年から2015年現在まで、F1が開催されたコースのうち、rFactor・rFactor 2・GT Legends・Assetto CorsaのいずれかにModが存在するものは、コースリストのみの記事という形で暫定的にアップしてあります。

 タイトル戦については、時代によるレイアウト違いを含めれば、ほぼ全てのコースがModとして存在しています。

 唯一の例外は、1958年モロッコGPの舞台となったAin-Diabです。同コースのModは、今のところ、筆者のリサーチでは存在が確認できていません。

 非タイトル戦については、33コースの存在が確認できていません。

 ただしそのうち2コースについては、少なくともF1C用としては公開されています。
 今後のリサーチの進展次第では、さらに空席が埋まる可能性があります。

 現代F1で知名度が高いコースはまだしも、1950年代の非タイトル戦でのみ用いられたマイナーなコースですら、結構な割合でMod化されていることに驚かされます。

 先のリストは、世界各地のMod職人たちが、長年に渡り、コース作成に注いできた情熱の結晶そのものです。



▼モータースポーツ史への興味に基づくコースMod作り

 そうした性格を持つリストゆえ、眺めていると様々なことに気付かされます。

 一例を挙げると、ドイツのMod職人・f1-edition。

 彼の名前は、ドイツにおける非タイトル戦コースの作者として、先のリストにたびたび登場します。

 彼が取り組んでいるのは、1950年代の旧東ドイツの公道サーキットという、日本では存在を知る人すら少ないマイナーなテーマ。

 F1開催コースという縛りを無くすと、f1-editionの興味の対象がよりはっきりとします。
 - ファイル検索:作者 = f1-edition @ NoGrip

 1950年代から1960年代にかけてドイツに存在した公道サーキットを、彼は数多く手掛けているのです。

 サーキット (あるいはモータースポーツ) の歴史という観点から、コースMod作りに取り組んでいるという点において、日本のBTBerであるSoramame氏と同じタイプの職人といえます。

 こうした気付きも、新たな切り口での紹介記事という形で、今後の記事作成に活かしたいと考えています。



▼通常運行に復帰

 rFactor 2本来の機能を発揮する作りになっているコースModの紹介。それを主目的として、コースリストを一気に作成してきました。

 2015年6月24日現在、F1開催コース以外では若干の積み残しがあるものの、全体としてみれば、当該Modのリストアップはほぼ完了という状態です。

 効率的に作業を進めるために、記事作成のための全持ち時間を、コースリスト作成に投入する生活を、ここ数ヶ月間続けてきました。

 とりあえず最低限の目標は達成できましたので、そろそろ通常運行に戻そうと思います。



■2015年4月4日

▼コースMod紹介記事の運用方針について

 2011年半ばから、リアルのコース紹介とあわせてModの紹介記事を作成してきました。

 完成した記事の例としてはスパ・フランコルシャンホッケンハイムなどが挙げられます。

 それらの完成形を目指すという基本方針は、今後も変わりません。

 ただしrFactor 2用Modが公開されているスポットについては、コースリストだけを先行して作成することにしました。

 これはrFactor 2用コースModの特殊性によるものです。(詳しくは後述)

 rFactor 2本来の機能を発揮する作りになっている。そう確認できたものから順番に記事化しています。

 サーキット予習シリーズの記事で、コースリストのみの記載となっているものには、そうした背景があります。



▼基本部分の確認を要するrFactor 2用コースMod

 rFactor 2を車輌シミュレータとして利用する際、動作負荷が高いソフトをわざわざ走らせるからには、以下の2機能はきちんと作動してほしいところです。
 (1) フラクタルを用いたコース表面の物理的な凹凸の再現
 (2) コース表面に加えられた荷重や降雨といった自然環境により、動的に変化する路面状況

 またグラフィックの美しさを売りにしたソフトでは無いとはいえ、コースのオブジェクトが大量に消失した状態では、没入感が台無しとなってしまいます。
 Build 770 (2014年7月2日リリース) より前に作成されたコースModでは、そうした事態がおきる可能性があります。
 (3) コースのオブジェクトが正常に表示される
 つまりこの項目も確認が必要となります。


 実在レイアウトの再現性やコース脇オブジェクトの作り込み度合い。
 rFactor 1をはじめとした一般のレースシム用コースModではそうした要素に注目があつまります。

 しかしrFactor 2の場合は、もっと基本的な部分の確認が必要になるわけです。



▼一般プレイヤーにはややハードルが高いチェック作業

 実際のチェック作業ですが、前述の (1) と (2) については、当該コースModをrFactor 2のMod開発者モードか外部の3Dグラフィックツールに読み込ませて、メッシュ分割の様子やマテリアル設定等を確認することになります。

 Modをダウンロードして、実プレイより前に、まずデータの中身を確認するのが当たり前となっているMod作成者にとっては、それほど大した作業ではありません。

 ただそうした事柄に馴染みのない一般のプレイヤーにとっては、ややハードルが高く感じられる作業でしょう。



▼実プレイで使えるデータを優先

 筆者自身は、Modを入手すると、とりあえずデータの中身を確認するのが習慣となっています。
 これはrFactor 2のコースModについても同様です。

 記事の書き手としては、リアルのコース紹介も併せて行なうところに面白みを感じています。
 しかしスパ・フランコルシャンやホッケンハイムの紹介記事のような完成状態にもっていくまでには、それなりの工数を要します。

 いつになるのか分からない紹介記事の完成を待つより、チェック済みのコースModを含んだリストをとりあえず公開してしまった方が、より多くの人にとってプラスになるであろうと判断しました。



▼未完成の記事ゆえ過去記事の修正と同じ扱いに

 ただしサーキット予習シリーズの記事としては、未完成の状態にあることには変わりません。
 しかもコースリストに含まれるModは、rFactor 2用に限らず、リリースからそれなりに月日が経ったものがほとんどです。

 そういったコースリストのみの未完成記事には、新規性はありませんし、記事の内容を必要とする人の数もそれなりに限られることでしょう。

 ですので、リリース直後のModが含まれる場合を除き、コースリストのみのサーキット予習シリーズの記事は、新規のポストであっても、ブログのトップには来ないようにしています。またTwitterでの告知も行なっていません。

 これは過去の記事に対する新規性のない修正と同じ扱いです。



■2014年12月31日

▼私事

 月日が経つのは早いもので、2014年もあと1時間足らずで終わりとなります。

 2014年は私にとって大きな変化の年となりました。
 老親が2013年末に病で倒れ、その面倒をみることになったのです。

 当初はどうなることかと思いましたが、おかげさまで新たな生活を何とか軌道にのせることができ、無事に2015年を迎えられそうです。


▼大晦日での記事メンテ状況

 前述の状況ゆえ、2014年は例年以上に、記事に反映できていない積み残しアイテムが増えてしまいました。

 とりあえず実プレイで使えるデータを優先しようということで、サーキット予習シリーズのコースリストのメンテに着手、何とか年内に作業の大半を終えることができました。

▼サーキット予習のコースリスト全般を眺めて

 コースリストの大半が、rFactor 1用コースModで占められているのは、従来通りです。
 これまでに作成されたModの数や長年に渡って蓄積されてきたノウハウを考慮すると、こうした傾向はこれからも続くものと思われます。

 その一方でrFactor 2やAssetto Corsaといった新プラットフォームにも、まともにプレイできるコースModが増えてきています。


▼リストのメンテ作業からみる2014年のrFactor 2

 特にrFactor 2については、2014年の伸張振りに目を見張るものがあります。

 ベータ版リリースされた2012年から翌2013年にかけて、まともにプレイできないrFactor 1からの移植Modが数多く出回っていました。

 rFactor 2では、設定された路面粗さに応じて、コース表面の物理的な凹凸を、フラクタルを用いて、自動生成する機能があります。
 rFactor 1から路面メッシュを持ってきただけでは、その機能は上手く働きません。

 rFactor 2の新機能に合わせた路面メッシュの切り方や、RealRoadの実装といったノウハウが一般に広まり、リリースされたModのうちrFactor 2本来の動作が望めるModの割合が大幅に高くなったのが、2014年といえるでしょう。

 ただし車輌Modについては、自動車工学と車輌運動力学について十分な知識を持つトップクラスのModderが、ISIの協力を得た上で、ようやく (シミュレーターの名に値する) Modを作り出している状況です。

 車輌シミュレータとしてrFactor 2を捉えるのであれば、これが本来あるべき状況ともいえます。

 しかし (グラフィックやサウンドといった) 車輌のキャラクター性を楽しむためにrFactor 2をプレイしようとすると、車輌Modの少なさが大きな壁となって立ち塞がります。

 今後も車輌Modについてはそうした状況が続くであろうこと、またrFactor 1でそうした需要が満たされていたことを考えると、rFactor 2用コースModの数の増え方は、かつてのrFactor 1並というわけにはいかないでしょう。

 マイナーなコースに関しては、これからもrFactor 1頼みとなりそうです。


▼リストのメンテ作業からみる2014年のAssetto Corsa

 Assetto CorsaはrFactor 2とは対照的です。

 グラフィック描画用とは別に、コース表面の物理的形状を表すマップを持つAssetto Corsaですが、rFactor 1からのベタ移植であっても、とりあえずはプレイできる仕上がりになるようです。

 路面メッシュを一から切り直す必要があるrFactor 2への移植と比べると、Assetto Corsaへの移植性の高さは段違いといえます。

 グラフィックの美しさも手伝って、移植コースModの数の増え方は (車輌Modともども) 2014年で一番のプラットフォームでした。

 来年以降もこの勢いは続くことでしょう。

 rFactor 1からのコースMod移植に関して、敢えて難点を探すとすれば、物理的形状を表すマップを、ユーザーが全て自作しなければならない点です。

 Kunos純正コース並みの精度と密度を持つマップを、rFactor 1のコースModデータをベースにして、どのように生成するか。

 この課題について (現時点では) 話題にはなっていません。

 しかしAssetto Corsa用Modの成熟が進み、数値面でのリアルさにこだわった作品が出てくる頃になると、この問題が表面化するでしょう。
 (rFactor 1でも路面からの入力の単調さが問題とされました。)


▼2015年を迎えるにあたって

 公私ともに自動車漬けの人生を送ってきた私にとって、わずか15分の空き時間でも楽しめる車輌シミュレータは、心のオアシスとでもいうべき存在です。

 そんな私の嗜好を全面に押し出した当ブログゆえ、とうてい一般受けする内容には成り得ませんが、2015年もこれまで通りの方向で、地道に更新を続けていくつもりです。



■2014年6月1日
▼Daralla DW12のベースセットアップ配布

 Daralla DW12 (ロードコース仕様) の車両挙動設定ファイルの内容を確認したところ、競技用車両とは思えないほど安定方向に振られたサスペンションになっていました。

 前軸側のロール剛性配分の数値がきっちり55.0%となっていることから、ISIが意図してこの設定にしているのは間違いないでしょう。

 その一方でタイヤと空力の設定は車両シミュレータとして納得がいくものです。

 ISI公式フォーラムで繰り広げられている論争やISIの意図など、本Modに関して記事で取り上げたい事柄はいくつもありますが、本日はせっかくの休日。
 実プレイを楽しんで頂けるよう、ニュートラル方向に振ったベースセットアップ (ロード仕様) のsvmファイルを配布いたします。
 Neutral Setup for Dallara DW12

 デフォルト状態や追加配布された公式svmではアンダーが強すぎて走りを楽しめないという方は、ぜひこのsvmファイルを試してみて下さい。

 例によって計算から割り出したセットアップが元になっていますが、テストプレイでリアを振り出せる程度のコントロール性があることは確認しています。


■2014年5月28日
▼rFactor 2用Mod・Daralla DW12のデータ取り

 5月22日と24日に、それぞれISI純正Mod・Formula Renault 3.5 2014とDaralla DW12がリリースされました。

 残念なことに、どちらのModも車両挙動ファイルが暗号化されています。

 しかしBuild 660からはテレメトリのデータからタイヤのスリックカーブを描けるようになっています。

 現在Daralla DW12の車両特性を確認すべく、実走行でのデータ取りをしているところです。

 こちらが本日の実験走行から生成したスリップカーブ。

 実験に用いたコースのμ設定はやや低め。その影響をうけてスリップカーブのμも低めに出ています。

 しかしそれでも対静止時で4倍もの荷重がかかっても、軽く1.0を超えるμを保っているのは、さすがトップフォーミュラーのタイヤと言えます。



■2014年5月4日
▼連絡用メールアドレスの変更

 gooメール (無料版) のサービス終了に伴い、本ブログの連絡先メールアドレスが変更になりました。

 (旧) virtual_motorsports_mucho
@mail.goo.ne.jp
 (新) virtual_motorsports_mucho
@yahoo.com
 (@マークより前は以前と変わりませんが、それより後が米国ヤフーとなっています)

 皆さまから頂戴したメールはブログ運営の参考とさせて頂きます。
 なおModのインストール方法といった個別のご質問には直接お返事できないこともあります。何卒ご了承下さいませ。


▼更新告知用のtwitterアカウント

 ブログ上でお知らせするのは初めてとなりますが、当ブログには更新告知用のtwitterアカウントがあります。

 https://twitter.com/VirtualMS_JPN

 なおリンク切れや誤記の修正といった新規性の低い更新については、上記アカウントでの更新告知は行っていません。
 タイムライン上のノイズを少しでも減らすための処置です。



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[rFactor2] 車両の技術情報の入手および利用法 (2/2) 車両挙動および車両セットアップ 

■車両挙動および車両セットアップに関する情報の集め方
[誰から情報を得るのか]
  これから手掛けようとする車種ごとに、当該車種の設計者、あるいはレースにおいて当該車種に直接関わりを持った人物、そのいずれかの協力が得られるよう、コンタクトをとっている。

  自動車メーカー / レーシングカーコンストラクターレースチームから相当の信頼を勝ち得ていないと、そういった協力は取り付けられない。たとえターゲット車種が既に現役を退いたレーシングカーであっても、それは変わらない。



[技術情報の形態]
  入手する技術情報のもっとも一般的な形態は、自動車メーカー / レーシングカーコンストラクターが作成した「車両マニュアル」だ。

  これはレースチームのエンジニアが用いているのと同じマニュアルで、車両を購入すると付属してくるものだ。
  そのマニュアルを利用してエンジニア達は、車両に対する理解を深め、セットアップを行い、車両のメンテナンスをすることになる。

  ほとんどの場合、そうしたマニュアルには極めて詳細な技術情報が記されている。
  不運にして重要な情報が抜け落ちていた場合は、マニュアルを入手する際に協力を仰いだ自動車メーカー / レーシングカーコンストラクターやレースチームへ、抜け落ちている情報に関する質問を投げるのが一般的だ。



[工学的な知識を用いた算出]
  車両挙動設定に関するデータについて、工学的な知識を用いて、数値を算出するケースもある。

  おおざっぱな例を挙げると、ブレーキディスクの正確な重量がそうだ。
  ブレーキディスクの材質が分かれば、大まかな密度を知ることができる。
  ブレーキディスクの寸法から体積を割り出して、先の密度と組み合わせれば、ブレーキディスクの質量とイナーシャを算出することが可能だ。



[協力が全く得られないケースでの対処]
  自動車メーカー / レーシングカーコンストラクターやレースチームからの協力が全く得られない。残念ながらそうしたケースもある。

  その場合でも取り得る手段は残っている。

  これから作成しようとする車両、それと似通った構造を持つ車両を作成したときの経験から、数値を推測する。
  車両の古さによっては、当時の文献や公文書から、必要とする情報を探し出す。
  ISIが開発に用いている車両挙動シミュレータや設計ツールも利用できる。



[ISIの開発用ツールの役割]
  シミュレーションの目標は、現実世界を可能な限り正確に再現することにある。

  ISIの開発用ツールは、入手データのチェックに役立っている。
  入手したデータが正しいのか、そうでない場合はどれだけ修正を要するのか、そうしたチェックだ。

rFactor2 車両挙動および車両セットアップに関する情報の集め方 ISI開発用ツール シャシ エディタ
  ISIが利用している車両挙動設定の開発用ツール
  非常に重い処理を行なうため、一般的なPCでは満足な動作は望めない


  ISIの開発用ツールでは、車両挙動にする様々な要素を考慮したシミュレーションを行なうことができる。

  そのシミュレーションでは、現実世界でのあらゆる拘束条件が設定になっている。
  そのおかげで、複雑なものからシンプルなものまで、必要に応じて様々なテストを行なうことが可能だ。



[ツールを自社開発することによるメリット]
  テストの内容によっては、計算処理が重くなり過ぎてしまい、現在一般的に流通している家庭用PCでは、リアルタイム処理ができなくなることもある。

  しかしビークル・ダイナミクス (=車両力学) の特性が十分に理解できている現在、現実世界において重要振る舞いは、ほぼ網羅するかたちで、シミュレーションが行なえていると考えている。
  それは一般に市販されているソフトウェア (= rFactor等) に対しても同じことが言える。
  単純化されたシミュレーションモデルが用いられてはいるが、同じシミュレーション結果が得られるように作られている。

  ISIが研究開発を重ねて技術が進歩するに従って、そうした単純化されたシミュレーション・モデルも進歩していくことになる。
  こうした継続的なソフトウェア開発がもたらす成果は、一般に市販されるソフトウェア製品に反映されていく。



[タイヤに関するデータ]
  入手するのが最も困難なのは、タイヤにまつわるデータだ。

  多くのレースチームはタイヤメーカーと機密保持契約を結んでいる。
  そのため場合によっては、ISI自らタイヤを購入してテストを行なう必要が出てくる。

rFactor2 車両挙動および車両セットアップに関する情報の集め方 ISI開発用ツール タイヤ TGM Tyre Tool
  TGM Tyre Tool
  ベータ版rFactor 2リリース当時から、一般ユーザーにも公開されているツール。ただし作業内容によっては、出力を得るまで4時間以上かかるケースもある。


  ここでもISIの開発ツールは活躍している。
  入手した情報が妥当かどうかの確認や、さまざまな状況を想定してテストを行うことで独自のデータを生成するのに利用されている。




■作成した車両挙動設定データの検証方法
  検証工程に入る前に、机上での確認作業テストを数多く行なう必要がある。そうした作業でもISIの開発ツールが利用されている。

  そうした作業が終ると、ようやく検証工程に入ることができる。
  検証工程では、全てのデータが車両挙動エンジンに入力され、場合によっては他のツールも併用する

  ここでは作成中の車両にさらに磨きをかけるため、映像の重ね合わせ・テレメトリ・ドライバーのフィードバックといった手段も用いられる。

  シミュレーションに問題があれば、この工程で現実との相違が明らかになり、その原因調査が行なわれることとなる。




■おわりに
  以上、意訳を交えつつISI公式サイトの記事を日本語になおしてみた。

[よく使われる宣伝トリック]
  この記事の冒頭でも述べたように「リアルさ」売りになるレースシム / レースゲームでは、消費者に「リアルさ」を印象付けることを目的としたセールストークが多くなりがちだ。

  よくあるパターンとしては次のような例だ。

  プロドライバーにプレイさせて感想 (主観) を述べさせる。
  あるいは、推測に頼って数値を割り出している箇所があるにも関わらず「自動車メーカーから入手した3D CADデータを元に作成している」ことだけを宣伝に用いる。

  嘘ではないが、消費者が印象付けられる「リアルさ」現実の間に乖離が生じてしまう。



[プレイ環境からくるリアルさの制約]
  極端な話をしてしまうと、シミュレーションとしてリアルな内容になっているかどうかは、そのソフトに収録されている車両特性のデータ実車のデータを、数値やグラフという形で比較することで判断できる。

  ただし現実にはそうした比較を宣伝に用いている商業タイトル存在しない

  これは「一般向けレースシムのプレイ環境だと、数値面でリアルな内容にしたところで、実プレイではまったくリアルに感じられない」という事情があるため、止むを得ないことではある。



[ISI製品の特性からくる宣伝手法の制約]
  仮にISI作成の車両挙動設定の検証をユーザーが行なえないのならば、間違いなくISIも (上で述べたような) セールストークをしてきているはずだ。

  ただし現実にはISIのgMotor系レースシムは、ユーザー側で車両挙動設定の確認を行える。
  いくらメーカー側がリアルさを印象付ける宣伝を行なったところで、実態が伴なっていなければ、いい加減な作りがModderに見破られて、かえって逆効果になりかねない。



[ISIが公開した作成環境]
  そうした背景があるためか、今回ISIが公開したページは、それなりに納得がいく内容となっている。

  技術情報に関してメーカーの協力が得られるケースでも、基本は (一般公開されている) 車両マニュアルと (間違いなく内容が間引かれているであろう) 3D CADデータ。
  足りない部分は、工学的な知識を用いた推測で補う。
  タイヤに関しては自前でテスト。

  ISIに限らず、iRacingLive for SpeedKunos Simulazioni (netKar Pro) など、リアルとされるレースシムも、同様環境で作成されているものと思われる。



[設計情報はメーカーの生命線]
  「メーカーの協力」というフレーズからは「必要とする情報は何でも提供される」とのイメージを抱きがちだ。
  しかし実際には、たとえ同じ自動車メーカーに所属する部門間のやり取りであっても、秘匿レベルが高い設計情報は、そう簡単には開示されない。

  ましてや系列会社あるいは協力会社ですらない外部ゲーム会社に、やすやすと設計情報が提示されるとは、とても考えられない。



[リアルさにこだわりを持つソフト会社の一般的環境]
  そういう意味では、今回のISIの紹介記事は、ISIに固有の製作環境というよりも、レースシム業界のうち、リアルさにこだわりをもつソフト会社での、一般的製作環境を説明しているといえる。




<<<[rFactor2] 車両の技術情報の入手および利用法 (1/2)



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